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水野敬也著「夢をかなえるゾウ」で心に響いた5つの教え【感想】

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今さら、水野敬也著「夢をかなえるゾウ」を読みました。

先日、kindleセールに便乗して購入してみた水野著「運命の恋をかなえるスタンダール」がめちゃくちゃよくて。
水野さんの他作品が読みたい!と調べてみたら、あの有名な「夢をかなえるゾウ」がヒットしたわけです。

正直、「運命の恋をかなえる~」とストーリー展開が似ていたので、いうほど感動はしなかったのですが、「なるほど。これはベストセラーになるわけだ」と納得の1冊でした。

夢をかなえるゾウは「自分を変えたい!」「でもモチベーションが続かない…」を繰り返すひとほど、ドキっとする内容です。

今回は、夢をかなえるゾウを読んで、特に印象的だったポイントを5つ紹介します(ネタバレ注意)。


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「夢をかなえるゾウ」のあらすじ

夢をかなえるゾウのあらすじは、こちら。

主人公・僕の目の前に、突然現れたゾウの“ガネーシャ”。

僕が3か月前にインドで購入した置物にそっくりな姿をし、なぜか関西弁で話す、とてつもなく胡散臭い自称“神様”と、成功契約を結んでしまった僕。

ガネーシャは「今から自分が出す簡単な課題さえこなしていけば、お前は確実に成功する」と言うけれど、はたして……。

すぐにすねるし嘘をつく、甘い物好きでタバコもやめられない、まったく神様らしくない神様・ガネーシャが僕に命じる課題は「靴をみがく」とか「コンビニで募金する」とか地味なものばかり。
「本当かよ!?」と思いながらも、課題を一つずつ実践していく僕。これで本当に成功できるのか?

過去の偉人の成功例から導き出される、誰にでも一日単位でできる超実践的な成功習慣を小説に織り込んだ、世界初の成功エンタテイメント!

引用:夢をかなえるゾウ公式サイト(飛鳥新社)より

主人公は、平凡なサラリーマンの青年。
可もなく不可もない青年で、どこにでもいる「普通のひと」です。

いっぽうで、突然現れた神様・ガネーシャは、メタボだしギャンブラーだし禁煙できない、いわゆる「ダメ男(?)」
めっちゃ食べるし、勝手に主人公のお金でパチンコ行っちゃうし、ガネーシャのせいで主人公…

ごっつ経済的に苦しくなってるやん…

と、突っ込まずにはいられない、だらしがない(ようにみえる?)神様です。
とはいえ、ガネーシャがだす「え?こんなことで?」という課題の積み重ねで、主人公は自分を成長させていきます。

もう、ね。
このあらすじ読んだだけでも思いません?

簡単な課題の積み重ね自分を変えられるなら、読んでみよう、と。

心に響いたガネーシャの教え5つ

本作で、ガネーシャが主人公に出した課題は29個です。

課題は、あらすじにあるような「靴をみがく」「募金をする」といった、実践しようと思えば、必ずできそうなこと。
なかにはハードルが高く感じる課題もありますが、基本は「誰でもやろうと思えばできる」内容でした。

課題にはひとつずつ意味があるのですが、とくにガネーシャの言葉で「なるほど」と思った5つを紹介します。

秘訣を知りたい=ラクをしたい

『秘訣』を知りたいということは、ようするに『楽』したいわけやん?(p37)

ガネーシャと知り合ったばかりの主人公が、「成功の秘訣」をたずねた時の言葉です。

それは『楽』して人生変えたり、『楽』して成功したいっちゅう『甘え』の裏返しやん?(p37)

成功とすぐには結びつかない課題について、「こんなことをして意味があるのか?」と不満げだった主人公は、ガネーシャの言葉に何も言い返せません。

「自分を変えたい」「成長させたい」というひとは、少なからず答えやヒントを得ようと「夢をかなえるゾウ」や、その他「自己啓発本の類」を手に取るわけじゃないですか。

ガネーシャは、「そこにある甘え」を指摘しているんです。
本を読むのは悪くありませんが、それだけで人生が変わるわけではない、というのが、まず最初に響いた教えでした。

稼ぐ=人の欲を満たす

稼ぎいうんは、どれだけ他人の欲を満たせとるか、それが数字にそのまま表れとるんや。腹が減った、眠い、遊びたい、気持ちよくなりたい……人にはそういう欲があるわな。その欲を快適に満たして、その対価としてお金をもらうんが今の世の中では『ビジネス』と呼ばれてんねや(p55)

言われてみれば、わかる話なのですが、稼ぐ(報酬を得る)ためには、相手を満足させなければいけません。

「お金が欲しい」「お金持ちになりたい」と考えるのは、「自分の欲」にばかり目がいった状態で、じっさいに多くのお金を稼ぐひとは「他者の欲を満たすのがうまい」です。

とはいえ、他者が自ら「欲しいものを伝えてくる」わけはないので(むしろ、本人すら欲に気づいていないことも)、「相手の欲を先取れる人ほど稼げる」という内容でした。

お金に対する考え方の問題ですが、たしかに「お金が欲しいなら、他者を満足させる」というのは自然の流れだと思います。
「他者を満足させる」というと、めっちゃハードル高く感じますが、日ごろから「相手が喜びそうなことを考える」のが大切という教えでした。

何かを手に入れる=何かを捨てる

「何かを手に入れるには、相応の代償を払う必要がある」
この言葉も同じことを言い表しとるんやで。
どんだけ欲張っても、器以上のことはでけへんのや。(p109)

これは、「何か新しくはじめたいときは、何かを捨てなければならない」という教えです。

「自分を変えたい!」というときは、つい「新しいチャレンジ」に目がいきがちですよね。
とはいえ、人にはそれぞれ「時間」という器があって、現状でそれがいっぱいだったりします。

何かを変えたいときは、まず何かを捨てる、そしてはじめて、空いた部分に新しいものが入ってくるわけです。

以前、習慣に関する脳科学の本を読んだ時にも似たようなことが書かれており、「自分を変えたいなら、まず捨てる」のが基本という教えでした。

大切な人ほど感謝を伝える・喜ばせる

ふだんから自分のことを助けてくれる親友や先輩。そういう人からの愛情は受け慣れてしまっとるから、なあなあになってへん?(p183)

確かに僕たちは、一番大切な人をおろそかにして、そうではない人に時間を注いでしまう傾向があるかもしれない(p185)

大切な人には感謝しなさいって言葉は、よくあるじゃないですか。
わかってはいるけど、じつは「どうでもいい人に気を遣うあまり、身近な人を放置してしまっている」というひとは多いと思います。

たとえば、仕事上でも信頼関係のある取引先よりも、クレームの多いクライアントにばかり時間を割いてしまったり。
できる社員よりも、できない社員に労力を使ってしまったり。

つい「こっちは大丈夫だから」と安心や信頼をしている裏返しですが、「そういう人たちこそ大切にして、第一に喜ばせなさい」という教えです。

「それが当たり前」になっているひとは多いと思うので、ありきたりな課題ではあるのですが、心に残るページでした。

人が変わるのは自分で行動したときだけ

自分は今、『座っとる』だけや。この意味、分かるか?確かに自分はこうやってワシの話を聞いとる。でもな、今、自分は何かを学んで、知識を吸収して、成長しとる思てるかもしらんけど、本当鼻、成長した気になっとるだけなんや。ええか?知識を頭に入れるだけでは人間は絶対に変われへん。人間が変わるのは、『立って、何かをした時だけ』や」(p255)

本作の、核心部分です。

「読むだけではダメ」
「知るだけでは人は変われない」

本を読んだあとって、気分が高まるじゃないですが。
「よし!やったろ!」ってなるじゃないですか。

ガネーシャいわく、「期待は感情の借金」だそうです。

「まだ何も苦労してへんのに、成功するかもしれへんっていう『高揚感』を前借して気持ちようなってもうてんねや。でもそのうち、そんな簡単に成功でけへんいう現実にぶちあたる。そんとき『先に気分よくなってたんやから、その分返してもらいましょ』て返済をせまられて、ヘコむことになるわな。これを繰り返すことで、どんどんやる気がのうなってく」

そしてガネーシャは行った。

「そうやって、人は夢を失くしていくんやで」(p248)

たとえば、「夢をかなえるゾウ」に出てくる、小さな課題だってそうです。
言われて最初はできるかもしれないけど、継続できるかどうかは、その人自身にかかっています。

読んで行動にうつせる・習慣化できてはじめて、人は変わるチャンスを掴める、というわけです。

いっぽうで、あれこれと考えるほど行動は先延ばしになるので、読んでから「理由」を考えてしまうひとは、しばらくしたら「感情の借金」返済に追われてしまう…

計画を立てるにしろ、「とりあえず行動しないと最適なプランは立てられない」のだから、

「考えない」
「行動する」

この2つが、今回もっとも大切な教えでした。

「夢をかなえるゾウ」に人生を変える力はない=変えるのは自分自身

「夢をかなえるゾウ」に書かれている内容は、いわゆる「自己啓発本でよくいわれること」です。
思えば、自己啓発本って結局内容が重複してる部分、あるじゃないですか。
つい、何か目新しい情報はないか、目から鱗の秘訣はないか、って新刊本を手に取ってみるひとは多いはず。

ただ、「結局似たような話だった」と落胆している人は多いかもしれません。

期待外れなのは本じゃない、行動できないあなただ

と、わたし自身にくぎを刺したくなる本でした。

読んですぐはドキドキしていても、継続できなきゃ意味がないんですよね…。
トイレ掃除、いってきます。